2004年8月 「ボイラー搭載」


機関車の外装で問題となるのがリベットである。実機に多数のリベットが使われている場合、模型でもこれを表現したいところだが、スケールどおりのサイズのリベットが手に入りにくいし、植えはじめると星の数ほどになる。一方、近代機のようにリベットが隠されている形式は楽かというと、そうでもない。組み立てのためのネジやリベットも全て隠さなければならないからである。サイドタンクなど、皿ビスで固定してすき間をハンダなどで埋めるか、皿もみを入れてリベットをつぶし込むかしたのちに、ヤスリで外装とツライチに、あとかたなく仕上げなければならない。

さてWILLIAMはフリーランスなので、どちらでも選択できるのだが、どちらかというと古典的デザインなので、なるだけリベットを植え込むことにした。小サイズのリベットは、海外のMEショップで手に入る。最も小さい3/64"の銅リベットを500個手配した。リベットなどの軽量部品であれば、英国から手配しても送料は400円程度で済む。輸送コストが異常に高い日本国内の通販より安いくらいである。ただし鋳物や鋼材などの重量部品となると、送料が一気に跳ね上がるので注意。さらに海外の模型店は、店に在庫がない場合、入荷するまで連絡もなく何か月も放置されるので、この点も注意が必要である。

リベット穴ケガキ
まず煙室の前後にリベットを植える。リベット位置はデバイダーで等間隔になるように決めた。1か所ごとにセンターポンチを打ち、そこにデバイダーの片足を入れて次の穴位置をけがく。蓄積誤差によりどこか1か所は間隔が狂ってしまうが、その位置を底部分に持ってくれば良い。最後にまとめてドリルで穴を開け、穴の入り口を軽く皿もみしておく。リベットのヘッドを完全に密着させるためである。


リベット接着
リベットをつぶすのは大変なので、耐熱性接着剤で接着した。内側に飛び出すと組み立ての邪魔になるので、事前にニッパで煙室の板厚より短く切っておく。写真をよく見ると、いちばん上のリベットだけ色が違うが、これはリベットではなく、煙室扉リングを固定するためのステンレスネジである。ネジは内から外にねじ込んであり、ネジの先端を丸く削ってリベットに似せてある。


ハンドレール支柱
ハンドレール支柱も英国のMEショップから手配したもの。真鍮製でクロムメッキがほどこされている。せっかくのメッキなので、ハンドレールも含めて磨き出しの仕上げにすることにした。ネジ部は英国規格の8BAというサイズで、これに合うナット(真鍮製)も同時に手配した。


支柱の圧入
ハンドレールは直径2.5mmのステンレス線を使用した。支柱の穴を2.4mmのドリルで拡大すると、圧入固さとなったので、写真のようにハンマーで叩き込んだ。真鍮の部品は不要の配管部品であり、支柱をステンレス線の端部より中に打ち込むために使用した。組み立てを容易にするため、レール1本につき圧入する支柱は1本だけとし、他は穴を2.5mmに拡大して緩みばめとした。


側部ハンドレール取り付け
煙室両サイドのハンドレールを組み立てた状態。一直線にするため、まず煙室に片側2か所の固定穴を開け、ボイラー覆いを巻いてから金尺で最後部の穴位置を決めた。それぞれ内側からナットで締めるが、最後部はナットが入る位置のラギングを丸く切り取っておく。


前面ハンドレール取り付け
煙室扉リングにもハンドレールを付ける。所定の径になるようにステンレス線を曲げて組み立てる。必要な長さの2倍くらいのものを鋼管などに押し付けて曲げ、曲率が正確な中央部分を切り取って使う。支柱の穴はいずれも2.5mmとしたが、レールが曲がっているため、圧入固さとなった。


丸ものの焼付け
ここでボイラー関係の塗装をした。使用した塗料は台枠に使ったものと同じ、ソフト99の耐熱黒である。写真は、煙突や蒸気ドームなどの丸ものを焼き付けているところ。部品を横倒しにすると塗膜に傷が付くので、ヒータの方を横倒しにした。


ロールものの焼付け
ボイラー覆いなどの巻きものを焼き付けているところ。部品をまわしながら、数回に分けて焼き付けた。ボイラーバンドは真鍮の磨き出しだが、時間がたつと色がくすんでしまうので、耐熱性のクリア塗料(オキツモ製)を吹き付けて、他の部品と同様に焼き付けた。


吐出管の芯出し
改めて煙室を組み立てる。写真は吐出管の芯出しをしているところ。強い通風力を確保するためには、ここのアライメントが重要である。


煙室内配管
ボイラーを搭載し、再び煙室内の配管を組み立てる。内部の部品はすべて未塗装なのだが、試運転で酸化して黒くなってしまった。再びアスベストヤーンですき間をシールする。ヤーンがゆるまないように、バスコークを塗ってから巻きつけた。


排障器
主台枠の前端に取り付ける排障器。平鋼を加工して作った。スケールどおりなので薄くて強度がないが、その方がショックを吸収してくれる。排障器は消耗品と考えたほうが良い。


前端梁
前部の端梁を塗装して取り付ける。端梁にもリベットを接着したが、こちらは1.6mmの鉄リベットを使用した。さらにカプラー解放テコ、その他の部品を取り付けるためのネジ穴を開けておいた。排障器は、主台枠と端梁の固定ネジを利用して取り付けた。なお、端梁固定用のアングルは3mmのリベットで固定しているが、こちらは跡形なく消されている(2000年6月)。このようにリベットを使い分けることにより、強度と外観を両立させることができる。


後端梁
後部の端梁も同様に組み立てる。こちらは、補助カプラーを掛けるためのフックを取り付けた。補助カプラーは安全対策であり、くさりでトレーラーと接続する予定である。


側面配管
逆止弁は、配管もろとも黒く塗装した。砂箱の配管は、サイドタンクに隠れる位置までの長さとし、ロックタイトで接着してから塗装した。接続部分には銅の短管を入れており、そこだけ磨き出しとして、耐熱クリアを筆塗りした。ついでに安全弁も耐熱クリアで塗装。



さて、あとはキャブなどの板金工作を残すのみである。

完成

(終)


前の月  次の月  目次