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2022年1月 「煙室(4)」


煙室の胴体は3か月前に紹介したが、2.3mmの鉄板の切り出しと曲げを外注して材料を用意した。まず、底の開口部に、シリンダーブロックから取り外した天板を位置決めして取り付ける。M4の下穴を貫通させて天板にタップを立て、天板を取り外して煙室胴の穴を4mmに拡大した。




煙室胴の加工で、円周上の位置決めを正確にするため、ここで円周の4分割線をけがいた。胴の端部に金属製の巻尺を巻き付け、目盛を頼りに円周を4分割し、両端の分割点を結んで、胴体に平行な基準線をけがいた。



煙室胴の前端に煙室前板を取り付ける。まずステージ上にバーティカルスライダーを立て、ここに煙室前板を固定し、さらにそこに煙室胴を差し込んで固定し、まとめて下穴を開ける。そして煙室胴だけ外して、煙室前板にタップを立てる。




C53の煙室胴の表面には一切のリベットがなく、ネジ頭は隠さなければならない。前板の固定には、M2.6の小頭皿ネジというのを使った。写真の左側がそうで、右側は通常の皿ネジである。このままでも目立たないが、塗装前に皿ネジの頭を金属パテで埋めて消す予定である。



シリンダーブロック天板と煙室胴の間に、煙室底板を取り付ける。煙室胴と底板にまたがる鈍角のアングル材を用意して位置決めし、煙室胴、底板のそれぞれから、アングル材に穴を貫通させ、ネジとナットで固定する。胴体を上からクランプしてもつぶれないように、内側につっかえ棒を入れている。



ここで使った鈍角のアングル材は銅製である。銅板から切り出して焼鈍し、ハードメイプルから作った型板に取り付け、プラハンマーで叩いて曲げた。




煙室胴に煙突を通す穴を開ける。ホールソーを使用した。



左右の蒸気管は煙室胴を斜めに突き抜けるので、穴は長穴になる。ホールソーで穴を並べて開け、小径ドリルと糸鋸で間を切り取ってヤスリで仕上げた。




写真は、左がペチコート、右が煙突、下が煙突台座の鋳物である。いずれも砲金製で、いつものようにモデラで木型を作って鋳造してもらった。



左が煙突用の木型で、右がペチコート用の木型。材料はケミカルウッドで、RAKU-TOOLというブランドの灰色の材料を使った。いずれも割り型で中子を入れるようになっている。中子取りは共通で、ハンスレットのシリンダー鋳物に使ったものの再利用である。



煙突座の木型は分割面が取れないので、両面型+捨型という組み合わせにした。



煙突の加工に先立ち、内径溝入れバイトを自作した。幅2.2mmの突っ切りバイト用のチップを装着できる構造にした。大径の穴専用である。




40mmのS45C丸棒からヤトイを作った。ヤトイと言っても、両端面を仕上げてそれぞれ中心にセンダードリル穴を開けただけのものである。煙突の穴は内径40mmを基準とし、このヤトイを使って両センターで心出しする。何度チャックし直しても正確に心を出せる。


実際の鋳物加工の様子は次回に報告する。

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