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2020年1月 「炭水車制動装置(3)」



ここから、下回りに、足で操作する制動装置を組み込んでいく。なお、右側のステップは、ブレーキペダルと同時に回転する構造にしていたが、それだと足元が不安定になるので、固定式にして、ペダルが単独で動くようにした。



まず前後の回転軸に取り付けられるアーム類から作製する。いずれも、鋼丸棒から作られたブッシュ部分に、レーザ加工または自作のアーム板を銀ロウ付けした構造である。ブッシュ部分は、セットビスで回転軸に固定される。写真はレーザ加工されたアーム板で、厚さはいずれも3.2mmである。このうち左の2種のみを使用する。右の2枚は、エアシリンダー用で、製作を見送り。



前の回転軸に使用するアーム板2枚は、レーザ加工を外注した時点で設計が完了してなかったので、ロータリーテーブルで平鋼から加工して作った。



ブッシュ類は、旋盤で全長を仕上げて穴を開け、エンドミルでアーム板を差し込む溝を掘り、セットビス固定用のネジ穴を開ける。部品によってサイズはばらばらである。



アーム板とブッシュを銀ロウ付けして仕上げる。



後部のアーム2本について、13mmの回転軸に固定して、本体下部に取り付けた。セットビスで固定するが、ビスが緩んで回転しないように、軸の側面にビスの先端が埋まる穴を開けている。




ブレーキペダルは10mmの丸棒をクランク状に曲げて作る。材料はSUS303で、曲げる位置をバーナーで赤熱まで炙って焼きなまし、万力で曲げた。まず丸棒の中心線の弧になる部分の長さを計算し、残りの両端の直線部分をバイス2台で直線に保持し、力を掛けて必要な角度まで自由に曲げると、自動的に所望の半径で曲がる。



続いてクランク状に曲げるために写真のような治具を作成した。先に曲げた曲線部分の形状を保持するための治具である。追加で曲げる部分の曲げ方は最初と同じ。




べダルの両端を必要サイズに切断し、アームの穴に銀ロウ付けして完成。銀ロウが流れやすくするため、精密三角ヤスリで、穴の4方向に溝を入れた。使用時の回転応力で銀ロウ付けが取れないように、念のためにスプリングピンを打ち込んでいる。ペダル部分のみ磨き出し、アーム部分は塗装する予定である。



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